自律した行動をとれる枠を用意する、その②

 自律した社員がそだつ要素は「自律した行動をとれる枠が用意されていること」と「自律して行動した先にメリットを感じていること」です。その①では、段階的により自立した行動がとれるように環境を整えることについて書きました。今回は、自律して行動するための指示の与え方、そして、質問の受け方です。

 

自律した行動を促す指示の与え方 

 自律した行動がとれる枠においては、必要最小限の指示をすることが必要です。指示が少なすぎると何を考えれ行動すればいいのか分からなくなり、多すぎると考えて行動する必要がなくなります。個人でそれぞれ違うので、とても微妙なさじ加減です。まず、少ない指示を与え、そして行動を注視し、戸惑っているようであれば話を聴き必要な情報を与えていくのがいいでしょう。

 戸惑っているので話を聴いてみると「的を得た話が聞けない!」ことが、はじめのうちは多いと思います。こんな時、的を得てないのだから、すべてを指示する方向へ変える人が多数いらっしゃいます。しかし、ここは我慢のしどころです!部下にとっては、「仕事の課題を整理し、明確化する」をいう仕事を行う上で、重要なスキルの一つを磨くためのチャンスなのです。

 

自律した行動を促す質問の受け方

 質問を受けるときも、部下に考えさせることが必要です。「この案件、どうしたらいいですか?」といった質問が出てきた場合、自分では何も考えていない可能性があります。仮に考えていたとしても、どのようなつまずきがあるのか理解できません。ですので、どうしたいのか?どこで迷っているのか?何を不安に思っているのか?等部下から聞き取り、ピンポイントに回答することが重要です。

 また、部下の状況を把握することで、部下への「成長の共有やフィードバック」(メリット)へつなげていくこともできます。

 

 業績など、企業の事情はあると思います。しかし、「自律社員が育つ」という視点では、指示の出しすぎは致命的ですので注意したいものです。

適正な学びの「場」を追及する専門家   ノーサイド人事オフィス

  〒700-0063 岡山市北区大安寺東町21-12      

   TEL・Fax:086-255-6118  携帯:090-2008-8954 

e-mail tanaka@noside-okayama.com

まなびコーディネーター・社会保険労務士 田中 徹